理学研究科 坪田誠 教授が「流体科学研究賞」を受賞!
2019年11月7日(木)、理学研究科 坪田誠 教授が「令和元年度 流体科学研究賞」を受賞しました。本賞は流体科学研究のさらなる進展に資するべく、流体科学に関する研究で独創性に富み、多大なる貢献を行った研究者に贈られるもので、今回は「量子流体力学および量子乱流に関する研究」という業績名で受賞しました。
坪田教授の主な研究テーマは「低温物理」。低温物理学の中で重要なテーマの一つとして掲げられるのが「乱流」です。ビルの隙間風や走行中の自動車の周りの流れなど、私たちの身の回りにある流れのほとんどが乱流ですが、そのメカニズムは明らかにされていません。低温物理学では、量子流体が作る量子渦と呼ばれる渦が存在し、この渦から発生する乱流を量子乱流と言います。乱流の本質を解明すべく、量子流体と量子乱流を対象に理論?数値的研究を行い、これまでにも多くの成果を積み重ねてきた坪田教授は、量子流体力学において日本を代表する研究者として名が知られてます。
?2018年04月10日掲載 「レオナルド?ダ?ヴィンチの推測が検証された! 量子乱流のユニークな構造を発見」
? 2019年05月08日掲載 「絶対零度付近で起こる超流動ヘリウム中の微粒子の不可解な動きは 目には見えない量子渦が操っていたことが明らかに」
?2019年10月04日掲載 「絶対零度付近でボース?アインシュタイン凝縮をした量子流体においてエネルギー輸送の直接測定に初めて成功し、乱流の普遍則を観測」
今回受賞した「流体科学研究賞」の受賞者はこれまで工学系が大半で、理学系分野からの受賞は極めて貴重といえます。坪田教授は、「これまでの基礎研究が評価されて非常にうれしく思います。量子乱流が日本で認められるきっかけになれば幸いです」とコメントしました。